みなさんは感染症対策にアルコール消毒液は使っていますか。最近は、エタノールとアルコールという単語をよく聞くようになりましたが、これらは何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
エタノールとアルコールの違い
「エタノール」は、お酒に入っていて、人間が飲むと酔っ払う物質のことです。無色透明の液体で、ツンとした特有の香りがあります。エチルアルコールという別名もあり、示性式はC2H5OHです。アルコールの一種です。
「アルコール」は、難しく言えば「炭化水素の水素原子をヒドロキシ基 (-OH) で置き換えた物質の総称」です。アルコールは、エタノールを始めとして、メタノール、2-プロパノール、グリセリンなどのたくさんの物質を広く表す言葉です。
「アルコール」と「エタノール」の関係は、「果物」と「リンゴ」の関係と同じというとわかりやすいでしょうか。むしろわかりにくいでしょうか。
図で表すと次のようになります。
ここに載っているアルコールの他にもまだまだたくさんのアルコールがあります。アルコール類は「なんとかォール」という名前が多いです。
アルコールの一種である「グリセリン」も聞いたことがあるかもしれませんね。グリセリンは、粘りがあり甘い物質で、甘味料、保存料、増粘安定剤として食品に入れられたり、保湿剤として化粧品に使われたりします。
「メタノール」は、アルコールランプの燃料に使われます。
単にアルコールと言うとき
エタノールは、アルコール類の中ではもっとも広く知られた物質のため、単に「アルコール」というときには、主にこのエタノールのことを指します。
例えば「このお酒のアルコール度数は5%だ。」という場合には、エタノールの割合が5%ということを意味します。お酒関係ではエタノールのことをアルコールと呼ぶのが普通で、逆に、エタノール度数という言い方はあまり聞きません。
アルコール消毒液に入っているアルコールも、多くはエタノールのことです。厚生労働省によれば、濃度70vol%以上95vol%以下のエタノールで手を消毒するのが、感染症対策に有効ということです(入手困難な場合には60vol%以上)。エタノールには、ウイルスの「膜」を壊し無毒化する効果があるとされます。
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
まとめ
エタノールとアルコールの違いについて紹介いたしました。エタノールは、アルコールの一種ですが、単にアルコールというときにはエタノールを指すことが多いです。
お酒に入っているエタノールのことを、正確に「エタノール」と呼ぶと化学的な印象がありお酒が美味しくなくなるかもしれませんので、お酒関係では普通に「アルコール」を使えばよいでしょう。
以上、エタノールとアルコールの違い!でした。